父とケンカ(原因は・・・)

-------長くなりそうなので2回に分けて書きます-------

先日、小さな事が原因で、父と電話で口ケンカになりました。

私の夫が、近々車を買う予定で、気に入った車のナンバーを取ってもらえるように
車屋さんにお願いしている所なのですが

父「Mちゃん(夫)、車どなんなっとるん?」
私「ナンバーが、一桁ナンバーは人気があるから、
  ちゅうせん(抽選)になるって言われて、まだ取れるかどうかわからんのや」
父「なんや、意味わからんわ」
私「え?どこがわからんの?」
父「きゅうせんって所に行ってとるんか?きゅうせんってなんや?」
私「ちゅうせんって、宝クジのちゅうせんとかって言うやろ?」
父「ああ〜〜〜〜。ちゅうせんか。おまえ、きゅうせんって言うとったぞ」
私「きゅうせんって言うてないよ。ちゅうせんって言うたけど
  お父さんには、きゅうせんって聞こえたんやろ」
父「いやぁ、きゅうせんだった。ちょとまってよ。Y(弟)にもかわるから
  Yにも言うてみてくれ」

弟が電話に出るまでの間、
内心「もうええやん・・・。こんな小さい事くらいで」と思っていました。

弟「もしもし」
私「ちゅうせん」
弟「きゅうせん?」
私「ちゅうせん」
弟「もう1回言うて」
私「ちゅうせん」
弟「うーん、今のはちゅうせんって聞こえたけど。Y(義妹)にもかわろか?」
私「・・・うん」
妹「もしもし」
私「ちゅうせん」

そして再び、父が電話に出て
父「な!Yもきゅうせんって聞こえたって言うただろ」

(ダカラ、ナニ?)   ・・・・・ココで抑えられなくなってしまいました・・・・・

私「いちいち、こんなちょっとした言葉の聞こえ方くらいで
  電話で、たらい回しにして、あげくにお前が間違ってるって言い方されて
  キブン悪いわ!!!」
父「お父さん、そんなつもりだったんじゃない。
  こんな病気やし、自分が合ってるのか間違ってるのか
  わからない時があるから、もし自分が間違ってるんだったら
  間違いは認めないかんと思って、Y達にも聞いたんや」
私「何も、こんなどーでもええ事まで聞かんでええやろ」
父「別におまえに対してだけ、こんな風にしてるんじゃない。Yに対しても同じや。
  Yにも神経質になっとるって言われるわ。
  Yとよく 『言った・言わないのケンカ』 になった時も、おまえに聞いたりしてるだろ」

後になって思うと、私より父の方が冷静に話をしていた気がします。
私はこの時にはもう、頭に血がのぼっていたので
私「いつもみたいにケンカになって意見を聞くのじゃないやろ。
  たかが、言葉の聞こえ方くらいで、いちいち弟達にまで聞いて
  あーやこーや言うほどの問題じゃないやろ!」

すると父は、急に口調が変わり、感情のない棒読みのような話し方で
父「もうええ、わるかったわるかった。切るぞ」
と言って電話を切りました。

((注意))
   後日、父にも確認済ですが、この時の『わるかった』 という言葉は
   もうめんどくさいという気持ちで、投げやりに言ったもので
   決して、涙ながらに父があやまってきたのではありません。


確かに、父の気持ち、言いたい事は分かります。
病気のせいで昔ほど、自分の考えに絶対的な自信を持てなくなっており
不安なんだと思います。
最近は、普段の細かい事でも、よく私や弟に意見を聞いてきます。
私も、そんな父の気持ちは分かってるつもりです。

今までだって、電話での言葉の聞こえ方の違いは何回かありました。
私だけでなく、父や弟も聞き取りにくい言葉をしゃべった時には
お互いに確認し合ってきました。
なにもその度、ケンカしてきた訳ではありません。

でもこの日の私は、なぜか反応してしまったんです。
なぜ、こんなどうでもいい事で、父はいちいちムキになるんだと腹が立ちました。
周りの人達からみれば、病気のせいなんだから
そこはガマンするべきだと思う人も多いでしょう。
もちろん私だって、病気のせいだってことは分かっています。

なにも決してガマンしてない訳じゃないんです。
でも、気持ちを抑えようとするより前に・・・
理性よりも感情が先走ってしまって、どうしようもない時があるんです。

ここ最近で父が気にしている出来事


11月5日の診察の時も、父が先生に報告していた事です。

<その1>
いつも使っていたメガネのレンズを割ってしまい
父と弟の2人で、仕事の休みの日にメガネ屋に行ったときの事です。
イスに座って、新しいメガネとレンズの色を決めて注文を終え
席を立って帰ろうとした時
父のカバンのヒモが、イスに引っかかっていたのですが、
その事に気づかず、そのまま歩きはじめたところ・・・
イスを引っ張ってしまい、メガネが飾っているケースに当たりそうになった。
あやうく、陳列してあるメガネを全部壊してしまうところだった。

父本人は、『カバンのヒモがイスに引っかかってたことに全く気づいてなかった』
だいぶ注意力がおちてるな・・と気にしているようでした。

実は、この日は他にも予定が入っており、
メガネ屋に行ったときから既に、あわてていたようです。
弟は、父がメガネを選んでいる時から、父の様子に気づいていて
弟「お父さん、急がなくてええよ。落ち着いてみたらええよ」
と声をかけていたのですが
父「わかってる。わかってる」
と答えながらも、その言葉は耳に入ってなかったようです。


<その2>
孫のY(2才)と遊んでいる時に、用事が入り少しの間、孫から目を離した。
用事が終わり、部屋に戻った時に、義娘の姿は目に入ったが、
孫の姿が見当たらなかったので、あわてて家中を探してみたが
いくら探しても孫が見つからない。
しばらくして・・・義娘が孫を抱いていたので
「いつからYを抱いていたんや?」とたずねると、義娘は「さっきから抱いていた」と答えた。

部屋に戻ったときに義娘の姿は確認してたのに
その時に抱いていた孫の姿は、全く目にはいってなかった。
あわてたら、動揺して周りが見えなくなると自覚している。


メガネ屋でのうっかりミスも、探し物(人)が見つからないことも
誰でもそんな経験あると思います。
特に探し物なんて、あっちこっち探しても見つからなくて
諦めた頃にひょこっと出てきます。
そして、そんな時は案外、自分の目の前にあったりします。
病気じゃなくても、よくある事なのだから、父もそんなに気にする必要はないと思いますが
ただ、父の場合は、病気のせいで注意力や判断力が低下することにより
以前より、ミスする回数がふえたり、周囲の様子が見えてなかったり
時間や気持ちに余裕がないときは
あわててしまいパニックにもなりやすいんだと思います。

父自身も、注意力がおちていることやパニックになりやすいということは
自覚しているのですが、うまく気持ちをコントロールできないようで
そんな時は、ピリピリした空気が流れてます。

そして、私たち家族もそんな父の様子に気づき
「お父さん落ち着いて!」と声をかけたりもするのですが、
その一言で、落ち着きを取り戻す時もあれば、全く耳に入らない時もあります。

こんな事を書いたら、父に怒られるかもしれませんが(笑)
例えるなら父は、突進してくる闘牛みたいなもので
私達(主に私と弟)が落ち着かせようと、なだめても興奮は収まらず
それどころか、私達も巻き込んで、自分のペースで突き進んでいく
という感じなのです。

何事もあわてる必要はないのだから、時間に余裕を持って
なるべくゆっくりしたペースで行動してくれたらなと思うのですが・・。

アルツハイマーという病気のせいで、頭の回転が少し鈍くなっている分
あわてるとそのスピードに、脳がついていけずにパニックになるのかな!?
(私の勝手な想像ですが)