認知症と告げられて

父は57歳で認知症と診断されました。

アルッハイマー型認知症

アルッハイマー型認知症とは、どんな病気なのか少し詳しくみることにしましょう。

アルッハイマー型認知症は前駆症状として頭痛、めまい、昏蒙、うっ気分、不安感、発動性
減退、あるいは焦燥感を伴った気分変調をみることがあります。また、症例によっては神経
衰弱様症状が続き、根気がなく、疲れやすさ、めまい、肩こり、不眠を訴えます。経過をみ
ていると、次第に物忘れが現れ、財布やハンドバッグなどの置き場所を忘れて探し回ったり、
電話番号がどうしても覚えられないなどの記銘力障害が明らかになってきます。
この時崩榊を過ぎると記銘力障害が著しくなり、記憶の減退が現れてきます。古い記憶は、
新しい記憶と比べると比較的よく保たれている傾向があります。
言語障害については、早期には無意味な自発語、失名詞、錯語がみられ、さらに言語の理
解にも障害が生じてきます。人と会話することができなくなり、聞き手の方も患者の話す言
葉が理解できなくなります。読字では音読は障害されませんが、字の意味がわからなくなり、
書字は自発語の障害と一致して変化がみられます。
またやや遅れて出現する症状として、行為の障害がみられます。物体を視覚的、触覚的に
理解できなくなり、指示した言語の理解が困難になります。具体的には調理、食事、洗濯、
掃除、入浴、洗面、着脱衣といった長年にわたって習得されてきた行動ができなくなります。

 


記憶障害は明らかであるものの、言語的生活は可能で、感情反応にも異常がみられず、人
格も保たれているようにみえる患者が、家では料理や買い物がまったくできないということ
もあります。アルッハイマー型認知症では、着脱衣がとくに困難であり、これらは観念失行、
観念運動失行、構成失行と呼ばれています。
この病気ではまた視覚失認、視空間失認、相貌失認、同時失認などがみられます。つまり、
物品の認識ができず、空間に配置された物体の認識がある一カ所に固着し、正しく扱えない、
絵や写真をみせても全体の内容がわからない、空間的な場所や地理的な方向がわからない、
時計の認識ができない、左右、手指認知ができない、よく知っている人の顔がわからないな
どが頻繁に出現します。外出して自宅に戻れず迷子になったり、家でもお手洗いと玄関を間
違えたり、入院しても自室や自分のベッドがわからず、他人のペッドに寝たりします。

 

 


末期になると、認知症はきわめて高度となり、言語、行為、認識、記憶、判断などあらゆる
精神機能がほぼ完全に失われた状態となります。意識は比較的保たれていますが、ときには
意識水準も低下し、傾眠状となります。これは大脳皮質全体の機能が障害された状態であっ
て、身体的にも徐々に寝たきりとなり、いわゆる植物状態となります。