このようなとき、家族は次のことを心がけるようにしましょう

家族が不安に思うこと

家族介護者のかかえる不安は大きく三つに分けられます。◎家族が病気と出合ったときの不安家族が最初に気になった老人の行動
。ひどい物忘れ
お年寄りが同じことを何回も聞いたり、同じ話を繰り返したりします。家族が念押しのつもりで繰り返した話をまったく初めて聞いたといって、こんな大切なことを私には知らせなかつたと怒る人もいます。大切な約束や伝言を忘れて人のせいにしてトラブルの原因となることがあります。


・周囲の状況を正しく把握できない
通いなれた美容院や近所の医院から家に一戻れなくなり、とんでもない遠方へ行き、家族が驚くことがあります。


・知的能力が衰える
それほどむずかしい計算でもないのに時間がかかったり、間違えたりします。また主婦の場合、毎日同じ料理が続き、家族が横着しているのかと思っていたら、そうではなく他の料理ができなくなっていたことに気づくときもあります。


・理解できない行動
たとえば、引き出しを開け閉めする動作を何十回も繰り返したり、品物を移動したり、花びんの花を全部摘んだりなど、家族にとって理解できない行動をするお年寄りがいます。本人にとっては理由があるのでしょうが、家族はびっくりします。


・意欲がなくなる
きれい好きな人がだらしがなくなったり、活動的な人が別人のように閉じこもるようになったりして、すべてに意欲がなくなる人がいます。


・人柄が変わる
穏和で物静かなやさしい人がものすごく頑固になり、すぐに怒ったり、怒鳴ったりするようになり、まわりが不審に思います。


・その他
急に失禁したり、幻覚がでたりして家族はお年寄りの変化に気がつきます。

 

 

 

①観察してメモする
お年寄りの変化に気がついたとき、家族が驚きあわててお年寄りの言動に振りまわされると事実が見えにくくなります。病気なのか、老化現象の一つの現れなのか、冷静に観察し、いつ、どんなことが起きたのかメモをしておくとよいでしょう。そうして相談・受診につなげるようにします。受診することは、


・在宅で介護する場合の方針の土台となります。
・病人に対してやれることはやったと、後悔の念を持たないようになります。
・きちんとした診断により、家族間トラブルを防ぐことができます。

 

家族の話し合い
可能であれば話し合いには親族も加わり、認知症性高齢者に対して全員共通の理解を持つことが大切と思いますし、幅広い協力が得られるのではないでしょうか。家庭介護の場合、対応の仕方がそれぞれ異なってはお年寄りが混乱します。

できれば家族全員が介護に関する何らかの役割を分担し、介護者を孤立させないようにする配慮が必要と思います。


③社会の支援サービスを調べておく
実際に自宅で介護する場合、どんなサービスがあるかを前もって調べておくとよいでしょう。