日常生活での介護の不安

自宅介護では、毎日繰り返される細々とした家事の合間にお年寄りに対する気配りをしなければなりません。・異常行動への対応 老人の変化や異常行動に対してどう対応すればよいかと悩み、果たして自分のこのやり方でよいのだろうかと迷います。 . この状態が…

やさしく語りかけ接する

高齢者は一般にうっ状態やうつ病を発病しやすく、喪失体験がきっかけとなって認知症が発症する場合が決してまれではない。きっかけとなる喪失体験としては、配偶者との死別、同居していた孫の結婚、かわいがっていたペットの死亡などが代表的なものである。 …

介護する環境を整える

在宅介護の場合、介護者を少しでも休養させるために、デイケアの施設を利用することが勧められる。最近では大都市を中心として、ボランティアグループによる「保老園」運動が盛んになりつつある。保育園と同じような発想で、軽症の認知症老人を昼間だけ預か…

このようなとき、家族は次のことを心がけるようにしましょう

家族が不安に思うこと 家族介護者のかかえる不安は大きく三つに分けられます。◎家族が病気と出合ったときの不安家族が最初に気になった老人の行動。ひどい物忘れお年寄りが同じことを何回も聞いたり、同じ話を繰り返したりします。家族が念押しのつもりで繰…

にせの世界を否定しない

認知症状態が進むと、自分の娘を姉や妹、時には母親と勘違いすることがあります。認知症のお年寄りが病院や施設で生活していると、仲間同士では、昔からの親しい間柄のようにふるまっていることがあります。 七八歳のFさん(女性)は、隣のベッドの七五歳の…

抗認知症薬

抗認知症薬とは、文字どおり認知症の患者に用いる治療薬であるが、発病と進行を抑制する「根本治療薬」と、その時点の症状(記憶障害や知的機能障害)を改善する「対症療法薬」の二種類に分けて考えるべきである。根本治療薬は最も期待されるものであるが、…

少しホッ

MRI検査とMMSEテストを受けました。 父、私、弟と、2歳の姪を連れて、検査結果を聞きに行きました。(義妹は、どうしても外せない大事な用事があって来れませんでした) 先生の話の途中で、2歳の姪が泣き出さないか心配でしたがなんとか静かにして…

遠い昔のことは比較的よく覚えています

◎近くで話しましょう少なくとも一メートル以内に近寄って話しかけます。テーブルやベッドなどを隔てて話したり、お年塑寄りが他のことに心をうばわれているときに話しかけても効果的ではありません。 また、目や耳の不自由なお年寄りもいます。認知症の程度…

〈ふるさとの言葉に耳を傾ける〉

八○歳のTさん(女性)は、松本市で生まれ、そこで一人暮らしをしていましたが、七○歳を過ぎたころ、息子と同居するために上京しました。共働きの息子夫婦にかわって、家事一切と孫の面倒をみていました。数年後、軽度の認知症状態になりましたが、家事や孫…

血圧の測定

血圧の測定は座った状態で行うことである。降圧薬を使用中の老齢の患者で、ふらふら感、めまいなどを訴える場合に、ベッドに横になった状態と椅子に座った状態とで血圧を比較してみるとよい。横になった状態で血圧がちょうどよくコントロールされているよう…

失語症と左半側空間失認

大脳皮質の左半球には、言語野(ブローカ運動性言語野、ウェルニッケ感覚性言語野)があるので、この部位に脳梗塞や脳出血が起こると失語症を生じる。自分の思ったことを言葉として表現できないのが運動性失語症、人から話しかけられても音としてはわかるが…

お年寄りが納得する言葉

認知症のお年寄りの自尊心を傷つけない好ましい接し方としては、老人が間違った行動をとっても、危険を伴わない状況であれば、叱らない、否定しない、訂正しない、理屈ぜめにしない、説得しない、強制的な指導をしないことです。知的な心の働きが衰えた結果…

拒否

◎拒 薬病気に対する自覚がありませんから、なぜ薬を飲むのか理解できません。また薬であることがわからなくなると、口の中に入れられたものは、異物として感じるのでしょうか、吐き出してしまいます。 薬は飲む時間が指定されています。しかし薬を吐き出して…

自尊心を傷つけないように

認知症のお年寄りの介護をすすめるうえで、最も基本となるのが、「接し方」です。接し方によっては、お年寄りの自尊心をひどく傷つけたり、不安や混乱を強めてしまいます。その結果、認知症状態の悪化に拍車をかけることになります。好ましい接し方は、老人…

小石よりみかんのほうがおいしい

◎異 食 認知症状態が高度になると、食べられるものと食べられないものの区別がつかなくなります。そのため目にふれるものはなんでも口の中に入れてしまうお年寄りがいます。タバコの吸い殻、石鹸、クレヨン、スポンジたわし、アルミはく、化粧品、小銭などで…

不安、焦燥、幻覚、妄想

不安、焦燥認知症患者では不安をともなう焦燥感がしばしば出現する.ことに夕方五時頃になると、居ても立ってもいられない耐えがたい焦燥感におそわれることがある。これを、「黄昏症候群」と呼んでおり、認知症患者に特徴的な症状である。側夜間せん妄l昼…

攻撃的行為

攻撃的になるには、なんらかの原因があります。たとえば、介護者がお年寄りの自尊心を傷つけている場合や、話や考え方に行き違いがある場合などです。そのほか、体調が悪いとき、不満や怒り、不安や恐怖を感じたとき、お年寄りの記憶は過去のつらかった時代…

不安・焦燥感

認知症性高齢者は寸前の出来事を忘れます。今後の見通しもつけられません。また、時間も季節も自分のいる場所もはっきりとしなくなります。さらに周囲との関係もわからなくなってきます。そうした状況の中にいる認知症性高齢者は、些細なことで不安や焦燥感…

◎妄想

ものとられ妄想や嫉妬妄想、捨てられ妄想などが認知症性高齢者を苦しめます。ことに、ものとられ妄想は出現しやすく、介護者を不愉快にさせます。預金通帳や財布、めがね、アクセサリーなど身のまわりのものを、しまい忘れたり置き忘れたりします。そして自…

介護者の心得

生きていく上での基本的な欲求を満たす認知症のお年寄りは、習慣として行ってきた日常生活が次第にできなくなってきます。一見できているようでも、不完全なことが多くなります。食事、排池、清潔などすべてがお年寄りに適した方法で、常に満たされるように…

行動上の問題

認知症性高齢者にみられる行動上の問題は、認知症という精神障害の結果として現れるので、行動だけをとり上げて考えるのではなく、認知症性高齢者の全人格を理解して、その異常行動を考える必要があります。行動により生ずる問題は、認知症性高齢者の性格と…

第Ⅲ期は寝たきり

◎対人関係と人格の変化アルツハイマー病では、さまざまな精神機能が記憶障害や認知障害の形で高度に侵されてくるにもかかわらず、対人的な場所では社会的対応、挨拶の形式は残っています。挨拶だけにとどまれば、何の異常も感じさせないほどですが、少しでも…

言語障害、行為障害、認知障害

◎言語障害:言語障害についてはくわしい報告があります。それによると第1期から喚語障害、無意味な自発語が多くなり、失名詞、錯語がみられ、さらに言語の理解も障害されます。これらの障害のタイプは感覚失語またはウェルニッケ失語によく似ています。また…

認知症の対応と対策の現状

知的機能低下の起こる原因は、器質性要因と非器質性要因に大別することができます。認知症患者の知能低下の主な原因は脳ですから、これを器質性要因といいます。まず非器質性要因については、廃用性要因、心因性要因、症候性要因をあげることができます。こ…

第Ⅱ期

記憶障害や意欲障害がいっそう著しくなり、さらにあらゆる精神機能の障害が加わり、アルツハイマー病の典型像が示される時期です。コルサコフ型記憶障害は高度となり、学習機能はほとんど失われるため、経験・体験したことは短時間のうちに忘れてしまいます…

第1期

アルツハイマー型認知症が初老期に発症した場合をいい、老年期よりは典型的な経過を示しますので、参考のために説明します。アルツハイマー病では、その臨床症状の出現と経過はほぼ一定のかたちをとります。一般的には、アルツハイマー病の臨床経過は三期に…

「流動性能力」と「結晶性能力」

アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の神経細胞死、さらには加齢にともなう神経細胞死にも主役的な役割を果たしていることが、しだいに明らかにされてきている。アポトーシスが注目される理由は、その指令と抑制に関与する種々の分子機構がく…

症状と重症度

高齢者の知能低下の内容をみると、さまざまなものがあることがわかります。病的なものもあれば、病的でないものものあり、単純な認知症といろいろな精神症状を伴った複雑な認知症、そして知的水準低下の程度や日常生活への適応困難な程度によって軽症の認知…

父の日記2

前回の医大の精神科へいった時、何を思ったか血迷ったか、季節はずれのこの時期に、私は娘に来年になれば、金魚を飼育しょうかなと思っている事を話しました。娘:なんで又、急にそう思ったん。私:うん、なんでかと、金魚飼いたくなったんや、 それに近所の…

アルッハイマー型認知症

アルッハイマー型認知症とは、どんな病気なのか少し詳しくみることにしましょう。 アルッハイマー型認知症は前駆症状として頭痛、めまい、昏蒙、うっ気分、不安感、発動性減退、あるいは焦燥感を伴った気分変調をみることがあります。また、症例によっては神…